エピテーゼの値段はまず「用途」で決まる
エピテーゼの価格帯は幅がある理由
FtM向けのエピテーゼ(パッカー)は、安いもので1,000円台から、高いものでは5万円を超える製品まであります。
「なぜこんなに差があるの?」と戸惑う方も多いと思います。
この価格差の最大の要因は「用途」の違いです。
- 見た目を整えるだけのシンプルなパッカー
- 立って排尿できるSTP機能付き
- パートナーとの親密な場面にも対応できる多機能タイプ
このような用途の違いから、構造の複雑さも素材のグレードもまったく異なります。
だから値段が違って当然なのです。
まず決めるべきは「何のために使うか」
値段を比較する前に、ご自身が「どの場面で、何の目的で使いたいのか」をはっきりさせることが第一歩です。
ここが定まらないまま価格だけで選ぶと、「安かったけど結局使わなかった」「高かったのに目的に合わなかった」という後悔につながります。
用途が決まれば、対象となる製品カテゴリが絞り込まれ、比較すべき価格帯も自然と見えてきます。
本体以外にもお金がかかる(総額で考える)
エピテーゼの値段を考えるとき、意外と見落としがちなのが「本体以外の出費」です。
本体以外の出費として考えられるものは、
- 固定用の専用下着やハーネス
- 接着剤とリムーバー
- お手入れ用のパウダーやクリーナー
などがあり、費用が数千円〜1万円ほど上乗せされます。
さらに、洗い替え用のスペアを持つ場合はその分も加わります。
本記事では「本体価格」だけでなく「トータルでいくらかかるか」を意識した情報をお伝えしていきますね。
エピテーゼの価格相場(用途別)
ここからは用途ごとの価格帯を具体的な数字で見ていきます。
見た目を整えるタイプの相場
もっともシンプルなパッカーで、下着の中に入れて股間のシルエットを作るためのものです。
構造がシンプルなぶん価格も手ごろで、1,000〜8,000円程度が中心的な価格帯になります。
3,000〜5,000円あたりにシリコン素材の品質がよい製品が集中しており、初めての方にとってはこのゾーンが「質と値段のバランスが取れた入口」と言えるでしょう。
1,000円台のTPE素材の製品もありますが、耐久性や匂いの面でやや劣ることが多いです。
立って排尿できるタイプ(STP)の相場
STP(Stand To Pee)機能が付いたエピテーゼは、内部に尿を通すための漏斗とチューブ構造を持っています。
二通りのタイプがあるので、自分の用途に合うものを選びましょう。
- パッカーとSTPが一体になった製品:5,000〜20,000円程度
- STP機能だけの単体デバイス:2,000〜8,000円程度
STPは「体との相性」で使い勝手が大きく変わるため、最初から高額品を買うよりも、まず中価格帯で自分に合う形を見極めるほうが賢い使い方です。
機能付き・多機能タイプの相場
パートナーとの性的な場面にも対応できるロッド入りの製品や、見た目+STP+性行為対応を兼ね備えた多機能タイプは、10,000〜50,000円以上と価格が一気に上がります。
肌の色や形をオーダーメイドで作れるプレミアム品は10万円を超えることもあります。
このカテゴリは日常使いよりも「特定の場面で使う専用品」と位置づけるのが現実的です。
日常用の見た目パッカーと併用し、場面に応じて使い分けている方が多いです。
相場の見方(価格差が出るポイントだけ押さえる)
| 用途 | 価格帯の目安 | 固定の要否 | 向いている人 |
| 見た目用パッカー | 1,000〜8,000円 | 下着で十分 | 初心者・普段使い |
| STP(一体型) | 5,000〜20,000円 | 専用下着推奨 | 男性トイレを使いたい方 |
| STP(単体) | 2,000〜8,000円 | ハーネス推奨 | パッカーと別で持ちたい方 |
| 性行為対応 | 10,000〜50,000円+ | 接着またはハーネス | パートナーと使いたい方 |
| 多機能(2in1〜3in1) | 15,000〜50,000円+ | 専用下着+接着 | 1つで済ませたい方 |
| オーダーメイド | 50,000〜100,000円+ | 接着中心 | 色・形の完全一致を求める方 |
値段の差が出るポイント
同じ用途の製品でも値段に幅がある理由を、もう少し掘り下げて見ていきましょう。
素材の違い(触感・耐久・肌への相性)
エピテーゼに使われる主な素材は、医療グレードシリコン、スタンダードシリコン、TPE(熱可塑性エラストマー)の3つです。
医療グレードシリコンは耐久性・衛生面ともに優れ匂いもつきにくいですが、価格は最も高くなります。
TPEはリアルな触感が得られる反面、匂いが残りやすく劣化も速い傾向があります。
長期間使う前提であれば、最初から医療グレードまたは上質なスタンダードシリコンの製品を選ぶほうが、買い替え回数を考えるとトータルコストは抑えられます。
形・作りの違い(リアルさ・作り込み)
血管のテクスチャーが入っている、色のグラデーションが再現されている、陰嚢の質感がリアルなど、外見の作り込みが細かいほど価格は上がります。
普段使い(服の上からのシルエット用)であれば、ここまでのリアルさは必要ないケースがほとんどです。
温泉や更衣室など肌が見える場面で使う方は、リアルさへの投資が見返りにつながります。
「どの場面で使うか」に応じてリアルさの優先度を判断してください。
サイズ展開・カラーバリエーション
肌色のバリエーションが豊富なブランドや、S/M/Lなどサイズ展開が細かいブランドは、製造コストが上がるぶん価格もやや高めになります。
ただし、自分の肌色や体格に合った製品を選べることで満足度が大きく上がるため、色やサイズの選択肢がある製品は投資する価値があります。
仕上げ・品質管理・保証の有無
信頼できるブランドの製品には、品質検査を通過した証明や初期不良への交換保証が付いていることがあります。
無名の激安品にはこうした保証がないケースが多く、届いた製品に気泡やバリ(成形時の余分な突起)が残っていたという報告も見られます。
数千円の差であれば、保証やアフターサポートが付いている製品を選ぶほうが長い目で見て安心です。
安いエピテーゼと高いエピテーゼの違い
安いタイプのメリット・向いている人
1,000〜3,000円の製品は、「まず試してみたい」「パッキングの感覚をつかみたい」という初心者の入門用として適しています。
万が一合わなくても金銭的なダメージが小さいため、気軽に手を出せるのが最大のメリットです。
また、消耗品として割り切って使うスタンスであれば、安価な製品をこまめに買い替えるというやり方もアリです。
安いタイプで起きやすい不満(ズレ・違和感・耐久など)
安い製品で多い不満は、
- 独特なゴム臭が取れない
- 数か月でベタつく
- ひび割れる
- 形が単調で服の上から浮いて見える
- 触感が硬すぎるor柔らかすぎる
などが挙げられます。
特にTPE素材の安価品は匂いと劣化のスピードが顕著です。
「匂いが気になって外出先で不安になった」という声は安価品のユーザーに多く聞かれます。
高いタイプのメリット・向いている人
10,000円以上の製品は、医療グレードシリコンの採用、リアルな色・テクスチャー、複数機能の統合など、品質面で明確な差があります。
毎日使う方、温泉や更衣室での使用を想定する方、パートナーとの場面で使いたい方にとっては、価格に見合った安心感が得られます。
耐久性も高く、適切にケアすれば1〜3年以上使えるものが多いため、月あたりのコストで換算すると安価品と大きく変わらないケースもあります。
高ければ正解ではない(目的に合わないと失敗する)
3万円の多機能エピテーゼを買っても、日常で使うのがシルエット補正だけなら宝の持ち腐れです。
逆に、STPを頻繁に使いたいのに安い見た目用パッカーで代用しようとすると、機能が足りず不満だけが残ります。
値段の高さ=自分に合う、ではありません。
「自分の使い方に対して過不足がないか」が最も重要な判断基準です。
見落としがちな追加費用(ここまで含めて「値段」)
エピテーゼの値段を考えるとき、本体価格だけで判断すると予算オーバーになりがちです。
実際に使い始めてから必要になる周辺アイテムのコストも把握しておきましょう。
固定に必要なもの(専用下着・ハーネスなど)
- 専用ポケット付き下着:1枚2,000〜5,000円程度
- ハーネスタイプ:3,000〜8,000円程度
洗い替えを含めて2〜3枚持つなら、下着だけで5,000〜15,000円ほどかかります。
接着剤で直接肌に貼る方法を選ぶ場合は、医療用接着剤(プロスエイドなど)が1本2,000〜3,000円、リムーバーが1,000〜2,000円程度。
1本で1〜2か月もつことが多いです。
お手入れ用品(洗浄・保管)
中性洗剤(食器用洗剤でOK)はお手持ちのもので済みますが、シリコン専用のクリーナーを使う場合は1,000〜2,000円ほどです。
保管時にベタつきを防ぐコーンスターチベースのパウダーは500〜1,000円程度で長持ちします。
洗い替え・予備(長期運用のコスト)
毎日使う方は、洗浄・乾燥中に使えるスペアが1つあるとローテーションが楽になります。
見た目用パッカーの予備なら3,000〜5,000円程度で手に入りますので、日常のストレスを減らすための投資としては合理的です。
旅行や出張時のトラブルに備えて携帯用の予備を持ち歩く方もいます。
こうしたランニングコストまで含めて、初年度のトータル予算を見積もっておくと安心です。
用途別|後悔しにくい予算感の考え方
初心者が最初に選びやすい価格帯
初めてのエピテーゼには、本体3,000〜6,000円の見た目用パッカー+フィット感のある下着(1,000〜3,000円)で、合計5,000〜10,000円が無理のないスタートラインです。
この予算なら「合わなくても致命的ではない」という安心感があり、気軽に試せます。
STPを選ぶときの注意点(価格より相性と練習)
STPは製品と体の相性がすべてと言っても過言ではありません。
1万円の製品が自分には合わず、5,000円の別メーカーがぴったりだった、というケースは珍しくないです。
最初から高額品を1つだけ買うよりも、中価格帯を2つ試すほうが結果的にコスパが良いことが多いです。
返品・交換に対応しているショップを選ぶのも重要なポイントです。
外出・旅行で重視すべきは「固定と快適さ」
旅行や温泉を想定する場合、本体のリアルさだけでなく、固定方法の確実さと長時間の快適さに予算を振るべきです。
肌色の合った本体(5,000〜10,000円)+医療用接着剤セット(3,000〜5,000円)+パウダー(500〜1,000円)で、合計1〜1.5万円が目安になります。
人により正解が変わる判断軸(優先順位の付け方)
予算配分に迷ったら、「使う頻度が高い場面」に重点投資するのが基本です。
毎日使う見た目用パッカーには品質の良いものを、年に数回の温泉用には中程度のものを、という傾斜配分が合理的です。
すべてを最高品質で揃える必要はありません。
「一番よく使うものに一番お金をかける」。このシンプルな原則を覚えておいてくださいね。
失敗しない買い方(値段以前に重要)
「いくら出すか」の前に、「どう買うか」で失敗を防げることがたくさんあります。
サイズ選びで失敗しないコツ(大きすぎ問題の回避)
初心者がもっともやりがちな失敗は「大きすぎるサイズを選んでしまう」ことです。
シスジェンダー男性の非勃起時は意外とコンパクトで、長さ7〜10cm程度のスリムな製品のほうが服の上から自然に見えます。
「ちょっと小さいかな?」と感じるサイズが、装着してみると実はちょうどいい場合が多いです。
この感覚を覚えておくだけで、サイズ選びの失敗はかなり減ります。
ズレ・浮きを防ぐ固定方法の考え方
本体が良くても固定がいまいちだと、歩くたびに位置がずれて不快感やバレのリスクにつながります。
購入時に「この製品にはどの固定方法が合うか」まで一緒に検討してください。
フィット感のある下着で十分な場合もあれば、専用ポケット付き下着が必要な場合もあります。
製品レビューを読むときは、固定方法についてのコメントに注目すると参考になります。
返品・交換の条件を必ず確認する
エピテーゼは体との相性が大きいアイテムです。
サイズや形が合わなかったとき、返品や交換ができるショップを選んでおくと安心です。
海外通販の場合は返品送料が高額になることもあるため、購入前にポリシーを必ず確認してください。
梱包・配送の配慮(気になる人向け)
「届いたときに家族に見られたくない」という声は多いです。
多くの専門ショップは品名を伏せた無地の梱包で発送してくれますが、すべてのショップが対応しているわけではありません。
注文前に梱包のプライバシー配慮について確認しておくと安心です。
コンビニ受け取りや営業所止めが利用できる配送方法を選ぶのも一つの手です。
価格比較の作り方
比較表に入れる項目(用途/価格帯/固定の必要/向き不向き)
エピテーゼを比較するときは、価格だけでなく「用途」「素材」「固定の要否」「向いている場面」を並べて見ると判断しやすくなります。
以下にまとめ表を再掲します。
| タイプ | 本体価格 | 追加コスト目安 | 初年度トータル |
| 見た目用パッカー | 3,000〜6,000円 | 下着1,000〜3,000円 | 約5,000〜10,000円 |
| STP一体型 | 5,000〜15,000円 | 下着+パウダー等 3,000〜6,000円 | 約10,000〜20,000円 |
| 性行為対応 | 10,000〜40,000円 | ハーネス+接着剤等 5,000〜10,000円 | 約15,000〜50,000円 |
| 多機能(3in1) | 15,000〜50,000円 | 専用下着+接着+ケア 5,000〜12,000円 | 約20,000〜60,000円 |
「最安」より「合うか」で選ぶべき理由
最安の製品を買って合わず、結局買い直す。これが一番高くつくパターンです。
自分の用途にフィットする中価格帯の製品を最初から選ぶほうが、トータルの出費は抑えられます。
「値段で選ぶ」のではなく「用途で絞り込んでから、その中で無理のない値段を選ぶ」。
この順番を守るだけで、後悔する確率はぐっと下がります。
よくある質問
エピテーゼの寿命はどれくらい?
素材やケアの仕方によって異なりますが、医療グレードシリコン製で適切に手入れすれば1〜3年は使えます。
TPE素材の安価品は3〜6か月で劣化が始まることが多いです。
使用後に毎回洗浄・乾燥し、パウダーをまぶして保管するだけで寿命はかなり延びます。
高いほどバレにくい?
必ずしもそうとは言えません。
バレにくさを決めるのは「値段」よりも「サイズの適切さ」と「固定の安定性」です。
3,000円のパッカーでもサイズと固定が合っていれば、服の上からバレることはまずありません。
逆に、高額でもサイズが大きすぎると目立ちます。
肌荒れしやすい?対策は?
シリコンは通気性がないため、長時間装着すると蒸れて肌荒れが起きることがあります。
- コーンスターチベースのパウダーを肌とエピテーゼの間にはたく
- 通気性のよい素材の下着を選ぶ
- 帰宅後はすぐに外して肌を休ませる
といった対策で予防できます。
初めて買うなら何を選べばいい?
結論は「小さめの見た目用パッカー+フィット感のある下着」のセットです。
素材はシリコン製、サイズは7〜10cm程度、予算は本体+下着で5,000〜10,000円が目安です。
まずはこのセットで装着感に慣れてから、STPや多機能タイプを検討していくのが一番無理のない進め方です。
まとめ|用途→総額→失敗回避の順で決める
エピテーゼの値段選びで大切なのは、「いくら出すか」の前に「何のために使うか」を決めることです。
用途が定まれば対象カテゴリが絞り込まれ、その中で自分の予算に合った製品を選べるようになります。
次に、本体価格だけでなく固定具やケア用品も含めたトータルコストを見積もること。
そして最後に、サイズ選びと固定方法で失敗を防ぐこと。
この3ステップを意識するだけで、「買ったけど使えなかった」を防げます。
一番もったいないのは、安さだけで選んで合わずに買い直すこと。
用途に合った中価格帯を最初から選ぶほうが、結果的にお財布にもやさしいです。
この記事が、あなたのエピテーゼ選びの予算計画に役立てば幸いです。迷ったときは、当事者コミュニティのレビューも参考にしてみてくださいね。


