FtMが子どもを授かるための妊活方法は?パパになったFtMの体験談【セルフシリンジ法完全ガイド】

鎌田

戸籍変更が済み、法律上「結婚できる」状態になったとき、次に考えるのは「子どもを持つこと」ではないでしょうか。

阿部

FtM当事者やそのパートナーにとって、妊活に踏み出すのは勇気のいることですよね。

「どんな方法があるの?」「自分たちにも可能なの?」と、不安や迷いを抱える方も少なくないと思います。

この記事では、FtM当事者である筆者が実際に子どもを授かることができた経験をもとに、「セルフシリンジ法」という妊活方法を詳しくご紹介します。

妊活にはどんな選択肢があるのか、セルフシリンジ法のやり方、必要な道具、注意点など、これから妊活を始めたいと考えている方に向けて、実体験ベースでやさしく解説していきますね。

この記事でわかること

  • FtMカップルが選べる妊活方法(セルフシリンジ法・人工授精など)
  • セルフシリンジ法の具体的な手順と成功のコツ
  • 必要な道具と費用の目安(1回あたり400~1000円程度)
  • 精子提供者の選び方とトラブル防止策
  • 1周期目で妊娠に成功した筆者の実体験

これらを順を追ってお伝えします。

FtMの妊活方法|2つの主な選択肢

「子どもを持ちたい」と考えたとき、FtMカップルにはどのような妊活方法があるのでしょうか。

情報が少なく、どう始めればいいか分からず不安になる方も多いと思います。

多くの方に選ばれているのが、セルフシリンジ法と医療機関での人工授精(AID)の2つです。

セルフシリンジ法とは?

セルフシリンジ法とは、シリンジ(針のない注射器)を使って、精子をパートナーの膣内に注入する方法です。

医療機関を介さず自宅でできることから、FtMカップルの間で選ばれることの多い妊活方法のひとつです。

メリット注意点
プライバシーを守りながら妊活できる衛生管理が自己責任
自分たちのペースで進められる排卵日予測の精度が成功のカギ
費用が比較的安い(1回400〜1,000円程度)精子提供者との信頼関係が必須
精神的なハードルが低い医師の監督がない

実際にこの方法で子どもを授かったカップルも多く、この記事の筆者もその一人です。

鎌田

詳しい方法や注意点については、このあとで順を追ってご紹介していきます。

医療機関での人工授精(AID)

AID(非配偶者間人工授精)は、医療機関で提供精子を用いて妊娠を目指す方法です。

精子バンクを通じた匿名提供であることが多く、衛生面や安全性が確保されている点が特徴です。

メリット注意点
医師のサポートを受けられる対応している病院が限られている
衛生面・安全性が高い費用が高額(1回2〜3万円程度)
医学的に管理された環境で進められるFtMパートナーを受け付けない施設もある

医療機関での人工授精を希望する場合は、事前に「FtMカップルでも対応可能か」を確認することが重要です。

セルフシリンジ法を行うまでの流れ【4ステップ】

シリンジ法は比較的手軽にできる妊活方法ですが、事前の話し合いや準備がとても大切です。

以下のステップに沿って、無理なく進めていきましょう。

STEP 1|パートナーとしっかり話し合う

まずは、パートナーとの気持ちのすり合わせが何より大切です。

妊活に対する思いや、シリンジ法に対する考え方について、率直に話し合っておきましょう。

特に話し合っておきたいのは、セルフシリンジ法で進めることへの同意、精子提供者を誰にするか(知人・親族・第三者)、どのくらいの期間を目安に取り組むか、将来子どもに精子提供の経緯を伝えるかどうかといった点です。

鎌田

お互いが納得したうえで進めることで、妊活がより前向きなものになります。

STEP 2|精子提供者に協力を依頼する

提供者が決まったら、協力してもらえるかを正式に確認しましょう。

信頼できる方であることはもちろん、提供することについてしっかり理解し、同意してもらうことが大切です。

トラブル防止のポイントとして、

  • 第三者(特に親族でない知人など)に依頼する場合は同意書やLINEでの記録などを残しておくこと
  • 金銭の授受がある場合は契約書を作成すること
  • 将来的な親権や養育費に関する取り決めを明確にしておくこと

が挙げられます。

鎌田

私の場合は実の弟に協力をお願いしました。「子どもを授かりたいこと」「シリンジ法という方法があること」などを説明した上で、きちんと了承を得てから進めました。

STEP 3|排卵日を確認してスケジュールを調整

排卵のタイミングに合わせて実施することが成功のカギです。

ルナルナなどの排卵予測アプリを活用して、排卵日をあらかじめ把握しておきましょう。

排卵予定日の3日前から翌日までの約5日間が妊娠しやすい期間とされています。

この期間の中で、自分・パートナー・提供者のスケジュールを合わせ、実施日を決めていきます。

鎌田

私たちの場合は排卵予定日の2日前から排卵日にかけて、連続で3日間シリンジ法を実施しました。連日実施できたことが、妊娠につながったと感じています。

STEP 4|必要な道具を準備する

セルフシリンジ法には、専用のキットや排卵日予測のための道具が必要です。

詳しくは次のセクションで解説します。

セルフシリンジ法のやり方|基本の手順【所要時間30分〜1時間】

準備が整ったら、いよいよシリンジ法の実施です。

手順自体はシンプルですので、落ち着いて進めれば問題ありません。

手順内容ポイント
1精子提供者に精子を採取してもらう採取後1時間以内が目安
2カテーテルとシリンジを準備する清潔な状態にしておく
3採取から10〜15分後、精子を吸引する精子が液状になるまで待つ
4パートナーの膣内にゆっくり注入するカテーテルを奥まで届くよう優しく挿入
510分〜30分程度、横になってリラックスする仰向けで安静に。腰を高くするのもおすすめ

実施場所について

自宅・ホテル・提供者宅などさまざまですが、リラックスできる場所を選ぶことがポイントです。

可能であれば、落ち着いた雰囲気の自宅が安心かもしれません。

鎌田

精神的な安心感があると、妊活そのものも「特別な負担」になりにくくなります。

セルフシリンジ法に必要なもの【費用・おすすめ商品】

セルフシリンジ法は、専用のシリンジキットがあれば自宅で手軽に実施できます。

ただし、成功率を高めるためには、排卵日を正確に把握し、体調管理を整えておくことがとても大切です。

鎌田

ここでは、実際に私と妻がセルフシリンジ法を行った際に使用したアイテムをご紹介します。

アイテム用途必須度
シリンジキット精子の注入必須
基礎体温計排卵日予測必須
ルナルナアプリ体温・生理日管理推奨
妊娠検査薬妊娠判定推奨

シリンジキット【必須】

セルフシリンジ法に欠かせないのが、カテーテル・シリンジ・採精カップがセットになった「シリンジキット」です。

Amazonや楽天などで購入でき、10〜20回分が1セットになっています。

項目詳細
価格相場8,000円〜10,000円程度(1回あたり約400〜1,000円)
購入場所Amazon・楽天・公式サイトなど
比較AID(人工授精)が1回2〜3万円かかることを考えると、圧倒的にコストが安い
鎌田

私はAmazonで高評価だった「オンリースタイルの家庭用シリンジ法キット」を使いました。初心者にも使いやすく、価格も手ごろで満足しています。

基礎体温計【必須】

妊活の基本といえるのが、基礎体温の測定と記録です。

通常の体温計よりも微細な変化を測定できるのが特徴で、価格は2,000〜4,000円程度が相場です。

妊活を始める最低3か月前から測り始めるのが理想です。

鎌田

私たちの場合は「オムロンの婦人体温計」を使っていました。専用のアプリがあるので、面倒くさがりでも続けられたそうです。

ルナルナアプリ【推奨】

ルナルナは生理・排卵日・体温などを一括管理できる人気アプリです。

毎日の記録を続けることで、排卵のタイミングや妊娠しやすい時期を予測してくれるので、妊活のスケジュールが立てやすくなります。

具体的には、

  • 生理予定日や排卵期の目安が分かる
  • 妊娠しやすい日がカレンダーで一目で確認できる
  • パートナーと情報を共有できる

といった機能があります。

鎌田

妻と2人でルナルナを活用して、排卵日を確認しながらシリンジ法の実施日を決めていました。私たちは1周期目で妊娠できたので、予測の正確さに驚きました。

妊娠検査薬【推奨】

妊娠検査薬はシリンジ法自体には必要ありませんが、妊活の結果を確認するために用意しておくと安心です。

使用タイミングはシリンジ法を実施してから生理予定日を1週間過ぎたあたりが目安。

薬局・Amazon・ドラッグストアなどで購入できます。

チェックワンやクリアブルーなどが代表的な製品です。

鎌田

妻が予定日を1週間過ぎても生理がこなかったので「チェックワン」を使用。尿をかけて数秒で線が出て、すぐに結果が分かったそうです。

FtMがシリンジ法で子どもを授かった体験談【妻の妊娠まで】

ここからは、FtM当事者である筆者が、セルフシリンジ法でパートナーの妊娠に至るまでの実体験をご紹介します。

鎌田

私たちの場合、初めての妊活であるにも関わらず1周期目で無事に妊娠が確認できました。現在は授かった子どももすくすく育ち、今年で3歳になります。妊活を始めてから妊娠発覚までの流れを、リアルな体験としてお話していきますね。

1. 妻がルナルナアプリで基礎体温を計測

妊活を意識し始めた半年ほど前から、妻が基礎体温の記録を毎日つけてくれるようになりました。

使っていたのはルナルナアプリと基礎体温計。

アプリ上にグラフが出るので、低温期・高温期の切り替わりが分かりやすく、排卵日の予測にも役立ちました。

鎌田

記録する期間が長くなるほど、ルナルナの排卵予測も正確になっていく感覚がありました。

2. 弟と話し合って了承を得る

精子提供については、以前から「いずれ協力をお願いするかも」と話していた実の弟に頼むことに決めていました。

排卵予定日が近づいてきたタイミングで、弟に連絡。

会って30分ほど話し「シリンジ法を使って妊活をしたい」「精子提供をお願いしたい」と伝えました。

鎌田

弟は話をすんなり受け入れてくれて、「協力できることがあってよかった」と言ってくれたのがとても嬉しかったです。

3. シリンジキットを購入

準備が整ったタイミングで、Amazonでシリンジ法キットを購入しました。

箱を開けたときの「いよいよだ…!」という緊張感は今でも覚えています。

キットにはカテーテル、シリンジ、採精カップ、使用方法の説明書、医療用の用紙などが含まれていました。

鎌田

医療器具っぽさに少し驚きつつも、使い方はシンプルだったので安心しました。

4. 排卵日の2日前から連続3日間実施

妻の排卵予定日が確定したので、排卵日の2日前から連続3日間、毎晩シリンジ法を実施することに。

私・妻・弟のスケジュールが合うように調整しました。

当日の流れは、

  • まず弟に自宅まで来てもらい採精してもらう。
  • 精子が空気に触れないようサランラップをかけてもらう。(弟が採精中は私と妻で家を出て買い物へ)
  • 連絡が来たら戻り、感謝を伝えて見送ったあと、妻に精子を注入する。

という手順です。

注入時の工夫として、

  • ・腰の下にクッションを入れて精子が逆流しないよう角度を調整する
  • ・奥まで入れすぎずやや勢いよく注入する
  • ・終了後はそのままベッドで熟睡してもらうことで体を休める

といった点を意識しました。

鎌田

本来は30分ほど横になればOKなのですが、妻はそのまま朝までぐっすり。これが結果的に良かったのかもしれません。

5. 生理予定日から3週間後に妊娠発覚

シリンジ法を実施してから約3週間後。

妻に生理がこないこと、基礎体温がずっと高いままだったことから、「もしかして…?」となり、妊娠検査薬を購入しました。

結果は見事に陽性反応! 2人で思わず声をあげてしまうほど、驚きと嬉しさが混ざった瞬間でした。

すぐに産婦人科を受診し、妊娠が正式に確定。エコーで小さな命を見たときは、なんとも言えない感動がありました。

鎌田

このように、セルフシリンジ法を選んだことで、自分たちの気持ちを大切にしながら妊活を進めることができました。

セルフシリンジ法の成功率を高めるコツ

実体験を踏まえて、セルフシリンジ法の成功率を高めるために意識したいポイントをまとめます。

ポイント具体的な対策
排卵日の正確な予測基礎体温を最低3か月測定し、ルナルナ等のアプリで管理
連続実施排卵日前後の3〜5日間、可能な限り連続で実施
注入後の安静10〜30分以上、腰を高くして仰向けで横になる
精子の鮮度採取から1時間以内に注入するのが理想
ストレス軽減リラックスできる環境で、焦らず進める

よくある質問(FAQ)

セルフシリンジ法の成功率はどのくらい?

公式な統計データはありませんが、一般的なタイミング法と同程度(20〜30%程度)と言われています。

鎌田

排卵日の予測精度や実施回数によって変動します。

精子提供者は親族でなくてもいい?

はい、信頼できる第三者でも可能です。

鎌田

ただし、将来的なトラブルを避けるため、同意書や記録を残しておくことを強くおすすめします。

セルフシリンジ法は法律的に問題ない?

日本では自宅でのセルフシリンジ法を禁止する法律はありません。

鎌田

ただし、精子提供者との間で金銭の授受がある場合は、契約書を作成するなど慎重に進めることをおすすめします。

何回くらい実施すれば妊娠できる?

個人差が大きいため一概には言えませんが、筆者の場合は1周期目・3日間連続の実施で成功しました。

鎌田

半年〜1年程度を目安に、焦らず取り組むことをおすすめします。

FtMでホルモン治療中でも妊活できる?

パートナーの妊娠には直接影響しません。

鎌田

ご自身が妊娠を希望する場合はホルモン治療の中止が必要です。

まとめ

FtMとして「子どもを育てたい」と思ったとき、どうすれば実現できるのか、誰に相談すればいいのか分からず、ひとりで悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、筆者自身の体験をもとに、FtMの妊活方法やセルフシリンジ法の具体的な流れ・準備・必要な道具、そして妊娠に至るまでのエピソードを紹介してきました。

  • 妊活方法にはセルフシリンジ法と人工授精(AID)などがあること
  • セルフシリンジ法は自宅で実施できる手軽さとプライバシーの守りやすさが特徴であること
  • 精子提供者の選定や排卵日の特定など丁寧な準備と話し合いが成功のカギであること
  • 必要な道具はシリンジキット・基礎体温計・ルナルナアプリなどであること
  • そして筆者は1周期目・連続3日間の実施で妊娠に成功したこと。

これらが本記事のポイントです。

妊活には不安や迷いがつきものですが、「どうありたいか」「どんな家族を築きたいか」という気持ちを大切にしながら、一歩ずつ準備を重ねていくことが、良い未来へつながります。

妊娠・出産はゴールではなく、新しい家族のはじまり。

あなたのペースで、あなたらしい形の「家族づくり」を見つけていってくださいね。

本記事は個人の体験に基づく情報提供を目的としており、医学的なアドバイスではありません。妊活を始める際は、必要に応じて医療機関にご相談ください。

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